鏡のひとりごと

黒担eighterの気の狂った叙情文

マシーン日記感想

はしがき


こんな殴り書きみたいな感想を共有するのはいかがなものかと思いましたが、ネットの海は広大なので小瓶の一つくらい流してもいいかな〜というか全然ブログ書いてないな〜という気持ちで投稿します。

帰りの新幹線の中で打ち込んだものをほとんどそのまま使っているので、違和感があったりもしますが直後の感想なのでそれも味ということで、ご容赦ください。

 

 


キャラクターにそれぞれ


ミチオくん

人生のほぼ全てを兄貴のお人形さんとして過ごしている年季の入った支配される側。

コーラとコーンフレークを摂取する際のクセがスゴい程度で四人の中では一番常識と倫理を持ち合わせてるし、一般的な感性(サチコの傷にショックを受けたりする)のままなのだが、カカシさんらしく脳味噌が無いので逃げる気力は無いし牙は抜かれてるし支配関係に慣らされすぎてセックス以外のコミュニケーションツールが無い。

鎖を言い訳にする前にも彼は何かを言い訳にして停滞し続けていたんだろうね。心理学でいうところの学習性無気力とか服従実験とか思い出した。周囲に馴染めず浮いてるミチオくんは兄貴に支配されて安心してる。離れたいけど離れられない。モラトリアムから抜け出せない。そして他の家のダメな事情を盗聴して自分だけがクズじゃない、自分だけがダメなんじゃないと安心して悦に浸る。

兄貴にキーボードぶん回した時にそのまま支配から逃げれば良いものを、結局兄貴の支配という共依存から抜けられず、似た者だったサチコは死んじゃうしミチオくんのせいで町は燃える。最後の最後に手にしたマトモな人間になれるチャンスを見事にふいにして、鎖も片足も無くして何処にも行けなくなっちゃった。

三号機がいても支配者が兄貴の他に増えただけで彼自身は何も変われてないのである。多分火事の後も社会人にはなれないし背広は着れないけど、君が君である限り首は折られないんじゃない?

今度家にある心理学の教科書からアダルトチルドレンの項を探してミチオくんと重ねて考察してみたいです。

 

 

 

アキトシ

躁鬱メンタルのフィジカルタフネス。絵に描いたような裸の王様。機嫌が良いと弟を「ミチ」なんて呼ぶ。首尾良く可愛いお人形(ミチオくん)とペット(サチコ)を手元に置くことに成功したので大変楽しそう。ここに大卒のケイコを加えられると踏んでいたが、残念ながら無理だったね。

弟とは年季の入った支配関係を築いている。支配と被支配、血縁。自分より優れた(健常者の)弟を兄という理由だけで支配しているもんだから兄であることを強調するし、常にマウント取る。

コンプレックスからひたすら逃げ続けているので自分に勇気が無いことすら気付いておらず、獅子として持ち合わせていた爪や牙(身体的優位性)でひたすら兎ちゃん達をいじめ抜くのが彼の人生。さぞや楽しいだろうね。虚しくて痛々しいよ。そりゃあ弟も「しっかりしてくれよ!」って泣く。

ただ彼は彼の中で彼なりに弟のこともサチコのことも愛してた。だから繋いだし結婚したし順番を入れ替えた。燃やそうとしたのは、家族のまんま終われば永遠になると思ったからなのかもしれない。

最後にどんな感情で妻を抱き締めたのか。お気に入りのペットが死んだ悲しみか。それとも愛し方にようやく気付いたのか。でも死体を抱き締めても意味無いから、全部遅かったね。

今後どうなるか考えてみたが、何せ弟という奴隷さえいれば支配者としてのアイデンティティも保たれるし弟も片足失くして自分と同じ足らない人間になってやったね! な気分もあるかもしれない。でも弟が殺人教唆とかでガチの囚人になったらすぐに鬱期になって死にそう(私見です)

 

 

サチコちゃん

ヒロイン志望だが電波ゆんゆんな筋金入りのいじめられっ子。いじめられっ子のハイブリッド。

ずっと痛々しいまんまで死んだ。強者にはいつだって媚びるし優位に立った瞬間めちゃくちゃ調子に乗る。承認欲求が強めなのでDVも度が過ぎなければヒロイックな要素として酔える。気が狂ってる分、三人での暮らしも楽しかっただろうけどターミネーターと男の趣味が被ったのが運の尽きだった。敵を倒して愛する男も助けて万々歳! 私の物語はこれからだ! とセルフ主人公ムーブをかますが過去からやってきたターミネーターに返り討ちにされる。

セックスばかりするミチオに唯一キスしたのは彼女だけだった。同族嫌悪と上から目線と憎悪と依存でめちゃくちゃだけど、ほんの一滴だけ恋というものがあった象徴に思える。

ドロシーになりたかったけど、残念ながら彼女がドロシーだったら銀の靴どころか家が吹っ飛んだ時点で喚き散らして歩こうとはせず、良い魔法使いの下へ辿り着けないので物語は始まらない。彼女が主人公になれた瞬間は、やっぱり死後に兄貴に抱き締められた時だと思う。死んで、ようやくヒロインになれたね全部遅かったけど。

仮にもし、火事の後にみんな捕まらず日常に戻ったとしてもサチコちゃんのことは「あそこの奥さん、とうとう逃げちゃったらしいわよ」とかヒソヒソされて忘れ去られていくのかと思うと涙が出てきます。

 

 

 

ケイコ

個人的に一番よく分からん人。クローズドを見事にぶっ壊したディープインパクトにして破壊神。手から何か出る。

嘘はつかないし疑問は解消されないと気が済まない。とにかく何でも白黒つけたいので、マイナスしかないミチオくんのマシーンになるが、ミチオくんは奴隷根性が染み付いてる上に暴力に酔うタイプでは無かったのでセックスという手段に落ち着いた。何考えてるのか全然分からないけど、ミチオくんの為なら人の家を燃やすし教え子も殺す。人間的な感情は苦手なので心を欲しないタイプのブリキの木こり。というか、布で出来た心臓なんか与えられても「これじゃあ心臓として使えない」って投げ捨てるタイプ。

このパーティーの中で唯一オズの魔法使いの居場所を知っていたのに、ブリキのままでいることを選んだので全員沈んじゃいました! 残念だね。

私にとっては一番理解できない人なんだけど、私は人間ってのはブレる生き物だと思ってるので(ケイコの言葉を借りるなら十を三で割るような)ケイコがマシーンになろうとしているところやレトリックを使わず一貫してブレないところが苦手なんだな。

ただ彼女の大根さん曰く歪んだ母性みたいなものは確かに分かる。ミチオの三号機であり、ミチオを助ける存在であり、兄貴という支配者に依存していたミチオがようやく見つけた銀の靴だったんだけど、片方しか履けないからダメですね。